裁判員制度のために報道姿勢を変えるんじゃなかったっけ?
裁判員制度を前に報道姿勢を変えるという話があったのに、ぜんぜん変わってないじゃん。
そもそも原則を理解してない人が多い。
- 裁判で有罪判決が確定するまで犯人ではない。
- 裁判では裁判の過程で示された証言・証拠のみで真偽を判断する。それ以外の方法で得た事件についての情報(TV報道や個人的な情報網)などは一切勘定してはならない。
これは、犯人と誤認したり、誤認で逮捕されたかもしれない人*1の人権を守るための制度です。
千葉の殺人事件の報道を試しに1つ引用するとこんな感じです。
千葉市の団地で、28歳の男が元交際相手の女性の母親を殺害したうえ、女性を連れ去り逮捕された事件で、男は女性について、「犯行時、逮捕時、まだ好きだった」などと供述をしていることがわかった。
http://www.fnn-news.com/news/headlines/articles/CONN00159781.html
うまく容疑者=犯人と断定しないように微妙な言葉遣いをしていますが、容疑者=犯人というイメージを与えるよう巧みに構成されています。注意して読まない限り分からないでしょう。
ましてこの前見た某局のTV報道では「容疑者の犯行後の行動は」と連呼していました。容疑者=犯人じゃない。まして否認してるんだし。容疑者=犯人と決めつけていいのは裁判所で有罪判決が確定したときだけ*2。
仲田容疑者は、姉名義のクレジットカードで航空券を予約し、沖縄では智美さんに消費者金融で2度に渡り計50万円を借りさせていることがすでに判明している。
http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/090725/crm0907252149017-n1.htm
これにしても捜査関係者がそう言っているだけで事実とは限らないのに、あたかも事実であるという文脈で書かれている*3。捜査関係者の情報だけで記事を作ってはいけないのです。不公平もはなはだしい。
「公平性を持ち、先入観を与えないため、公平に報道する」というのは日本のマスメディアには無理なのでしょうか。