まどか☆マギカ最終回考察 その2
「まどか☆マギカ最終回感想 〜もやもやした気持ちの原因は何か?」で結末と人物描写に関連する物語構造の問題を整理したんだけど、補足その他感想。
※よくわからない人はまどか☆マギカ考察(3) まどかはなぜ魔法少女になったのか?を参照
結局、まどかマギカは「可愛い少女たちの魔法少女モノ」であるところのお約束を裏切ることで視聴者を惹きつけた作りでした。
こういった展開の面白さに非常に重点が置かれ、それを前提としてまどかたちのキャラクターが配置され、そのための補助装置としてSF的設定が利用されました。*1
この良い意味で話の裏切りが作品の魅力になっていました。
再度テーマと構造を捉え直す
エンディング後にあった文字。
Don't forget. Always, somewhere, someone is fighting for you.
As long as you remember her, you're not alone.
「忘れないで、いつもどこかで誰かがあなたの為に戦っている。彼女を覚えている限り、あなたは一人じゃない」
格好いい。格好いいけどそれ言うにはやっぱり物語に問題がある。
視聴者である「わたし」とここで言う彼女である「まどか」とその願いに縁がない。まどかは「魔法少女の笑顔」を願い、視聴者は魔法少女ではない。このこと自体は単純な言い換えや比喩ではあるものの、視聴者がそれを実感するには離れすぎています。
ほむらの時間遡行能力やQBの「魔法少女から魔女」を狙う理由付けとして出されたSF設定が、あまりに物語世界の日常とはかけ離れすぎていて、まどかが宇宙や世界を背負い込んだ実感や必然性が出てこなかった。
エンターテイメントであるのだから
話題になって、こうやって感想を書いたり議論になったりすることが盛り上がっていれば、それで十分だし成立してます。
テーマ性を持ち出して議論してもしょうがないし、こういう結末でも物語の決着はついてまとまってるし毎週の展開は面白かったし見て良かったと思います。
だけどなあ・・・、この人物心情的な不足が極めて勿体無いんだよなあ。脇役ばっかり魅力的で、違うオチならもっと良かったのになあ・・・みたいな。ほむらに感情移入して見てた人はほぼ過不足無く楽しめたと思うのですが、いかがでしょう。
追記
どうやら、一歩引いてまどかを見守る立場で観ると丁度良いよう一貫されていたみたいです。なるほど、それなら納得が行く・・・けどそれってどうなんだw
似たような論調の感想を見つけたのでメモ代わりにリンク。