みかんねこの不器用なのら~

不器用な人間が不器用なりに感じたことを語ってみるブログ

「自分なんか消えてしまった方がいい」と考える人

人と人の間で何か問題が起こったとき「相手が全部悪いこと」にして片付ける人がいます。人と人の間で起こった問題に、どちらかが一方的に全部悪いということはあり得ません。相手が全部悪いということは、自分は完璧なだと思っている人が陥る定型的な自己正当化です。そういう人には嫌悪感を抱くのですが、これとは逆に次のような思考に走る人が居ます。

「自分が間違えた。全部自分が悪い」

大抵このあと自分なんか消えてなくなった方がいいと続きます。このタイプは他人を傷つける自分自身が許せないというもので、典型的に次のような特徴があります。

  • 人間関係が不器用で、少しでも否定的な意見を言われると自分が全否定されたと感じる。
  • 感情的な行為に走ってしまいがちで、あとで後悔する。
  • いわゆる空気を読むことが苦手である。

さきほど書いたとおり「どちらかが一方的に全部悪いということはあり得ない」ため、気にはなっていたのですがそれが何であるのかなかなか分かりませんでした。ですが、色々な人と接していて分かってきたことがあります。

  • 自分を傷つけることによって自分自身に罰を与える自傷行為
  • 「自分が悪い」としてそれ以上考えない思考停止

実のところ他人を傷つけてしまったことが許せないのではなくて、本質的には自らが起こしてしまった問題を自ら受け止めきれないので、そのような自己否定行為に入り、深く考えることをやめて、すべてを終わらせようとします。こうなってしまうと他人の助言を聞かないし、受け取った意見の中で「悪いところを指摘しているもの」だけをすべてとして理解するようです。最初に書いた自己正当化タイプとは見事真逆の行動*1



あなたが「自分なんか消えてしまった方がいい」と思うことは別に悪いことじゃないし、一時的にそういう感情を持ってしまうことは何も悪くはありません。でも、自分が悪いと考えたところであなたが救われることは決してないし、進歩することもない。もし本気で同じ過ちを繰り返したくないのなら、冷静になって自分の良いところ悪いところ、相手の良いところ悪いところをそれぞれ並べてみてください。

内容 あなた 相手
良いところ 相手のためと思って行動したこと。 起こりうる問題を客観的に捉えて指摘できる。
悪いところ 指摘が気遣いであることに気付かず感情的になってしまった。 気持ちをぜんぜん察してくれない。

その問題がなんであっても、たまたまあなたと相手の意見や考え方が食い違っただけなのです。神様は居ないのでどっちが良い悪いは誰も決めてくれない。

「たまたま」の原則を大前提として、同じ問題が起きないためにあなたが何を改善することが可能で、相手が何を改善することが可能か考えてみることは有意義です。どのように意見が食い違ったかを知る手がかりになります。こういうことをすぐに分かるようになるのは大変ですが、繰り返し考える練習をすればどこが食い違ったのか知ることができるようになります。まわりの人に意見を求めてみるのもいいでしょう。繰り返しますが、このとき犯人探し(どっちの方が悪い)をすることはまったくの無意味です。

あなたを許してあげられるのはあなたしか居ないのですよ。他人ではありません。

*1:寄せられた意見の中から、自分を肯定する意見のみを受け付けてその他の存在を無視する(場合によっては排除する)。